この夏の暑さにすっかり弱って花の少ない我が庭ですが、ニラの花が咲いてきました。

白花曼珠沙華も咲きはじめています。

咲きはじめは淡いピンク色の覆輪が入り、ひとつふたつ咲いている時にはそれもかわいらしいのですが、咲ききると消えていき、群生しているのが満開になると、ふわふわとしたひとかたまりの雲のようになります。まるで雲上の世界のようで、天界に咲く花という意味の曼珠沙華という名前を与えられたのは白花の方ではなかったのかしらと思わせる程です。

赤い方は、ようやくツノをだしているようです。はたしてお彼岸には間に合うでしょうか……?
さて、ニラと名前のつく植物には葉を食用にするいわゆるニラ、有毒植物のハナニラ、花を食用にする花ニラなどあり大変まぎらわしいですが、咲いているのは葉を食用にするニラの花です。花は食べられませんが、蕾でしたら食べられます。私は野菜としてのニラはもちろんですが、花としてのニラがことのほか好きで、畑ではなく花壇の一角で育ててしまっています。

小花ですから写真映えはしませんが、すらりと花穂をあげる咲き姿が美しいです。
この場所は立水栓が近いために湿りがちで、よく日が当たるという条件をニラの方が気に入ったようで、長きにわたり一角を占めています。花壇だからといって農薬や殺虫剤を使って花を育てているわけでもないので、食用にしても問題はないし、畑と花壇とか、野菜と花とか明確に区別しないで、おおらかにやってもいいのではないかと思います。
花の後は種になり、庭のあちこちに飛んでいきます。食べられる太さになるまでには2年かかるので、発芽してもそれまでに消えてしまったりもしますが、いつの間にか咲いていたりもします。
そこここに美味しい野菜が勝手に生えているような庭がもしもできたとしたら、とても楽しくて素敵ではないでしょうか。