10月3日、2023年の最後の栗の収穫を終えました。
昨年より4日遅いです。収穫はじめも遅かったので、長引く暑さで全体がずれ込んだということになりました。振り返ってまとめてみようと思います。
この栗の木は、いつ植えられたのかもわかりませんがおそらく昭和中期に植えられた木で、品種も不明ですが、隔年結果性も自家不和合性も低いことから家庭用の品種のようです。竹林に迫られて日当たりが良くなく、あまり枝葉も広げられず、競い合うように背ばかり高くなっていて、もう剪定もできません。よく手入れされた木ならもっとたくさん収穫があるのだろうと思います。

9月15日〜19日 7個
9月21日 22個
9月22日 30個
9月23日 20個
9月24日 17個
9月25日 3個
9月26日 8個
9月27日 17個
9月28日 27個
9月29日 20個
9月30日 13個
10月1日 15個
10月2日 2個
10月3日 9個
イガから取りだした実の数を数えてみました。未熟なもの、カビているもの、皮を剥かなくてもわかるほど虫に食われているものは含まない、食べられる栗の数です。今年は全部で210個でした。
猛暑と水不足の影響で小さく少なくなってしまったというニュースも聞いていたので心配していましたが、去年は200個だったので数は微増で、大きさも変わらなかったのでほっとしています。

もうひとつ心配だったのが、収穫が遅くなることで虫に食われた栗が多くなってしまうのではないかということです。
あまり言及されていませんが、虫がいない栗を手に入れたいのなら、一番最初に収穫された栗を買うことです。栗虫は栗が未熟なうちに卵を産みつけていて、栗が成熟した頃に鬼皮の内側で孵化します。なのでこれが孵化する前に収穫した栗には虫がいません。
今の土地に移る前は毎年栗を購入して渋皮煮を作っていましたが、スーパーで買っても直売所で新鮮なものを買っても、いくつかは虫がいて、虫が苦手だったのでおっかなびっくり鬼皮を剥いていました。栽培期間に農薬によって防除したものは虫がいないと本に書いてありましたが、そんな栽培歴のわかるような栗は簡単に手に入りませんよね。なので栗虫について調べて、孵化する前に買って調理すれば良いのではないかと思いつきました。結果はその通りで、9月初旬の、その地域で店頭に並びはじめてすぐの栗しか買わないと決めてからは、一度も虫を見ることはありませんでした。(今は9月初めに栗なんてありませんよね。昔は秋が早かったです)
今、一本の栗の木の収穫から調理まで全て自分でするようになり、かつての思いつきの答え合わせをしているようです。早い時期に収穫したものは虫が少ないのですが、ある日を境にぐっと増えるのです。
なので収穫がずれ込むと虫に食われた栗が増えてしまうのではないかと心配していました。
結果、それは杞憂だったようで、収穫がずれたのと同じだけ栗虫の孵化もずれたのでした。考えてみれば、栗が成熟していないのに孵化すると栗虫としても困ってしまいますものね。
ちなみに栗虫の卵は鬼皮と渋皮の間にあります。なぜなら、孵化した栗虫は必ず渋皮に小さい穴を開けて栗の身を食べているからです。なので渋皮煮でもすじをとる際によく洗ってきれいにすれば、もしかして栗虫の卵も食べているかもといった嫌な予感を抱く必要はないです!
それにしても、かつては栗虫を見ても悲鳴をあげるようなかわいらしい神経の持ち主だったのに、人は変わるものですね。

せっせと栗の渋皮煮にして、シロップごとフリーザーバッグに入れて冷凍しました。瓶詰めにするのが一般的だとは思いますが、昔発酵してしまってとても悲しい思いをしたことがあり、今ではすぐに冷凍することにしています。瓶詰めだと瓶もシロップもたくさん必要になりますしね。解凍してそのまま食べると少し柔らかくなっていますが、調理の過程で火が入るとしまります。
これからの季節はシュトーレンに入れたり、おせち料理のきんとんに飾ったり、栗の渋皮煮があると楽しみが広がりますね。

まずはラム酒をきかせたパウンドケーキにしてみました。猛暑にも負けず美味しい実を授けてくれた栗の木に感謝して、いただきます。